これぽーと2022年2月13日東京国立近代美術館:協働することと映像を見ること(みなみしま)「協働」と題されたセクションでは、様々な人々との協働を通じて、他者への理解を深めることがテーマに置かれている。絵画とインストラクションと映像(+インスタレーション)の全4点だけで構成される小さなセクションである。が、ここでは協働を共通のテーマとする作品が選ばれているだけでは...
これぽーと2022年2月6日メトロポリタン美術館「IN AMERICA A LEXICON OF FASHION」展:アメリカのファッションを再定義する(白石佳奈子)・はじめに 世界各国の幅広い年代のコレクションを所蔵する私立美術館。ここはニューヨーク、セントラルパーク内に存在するメトロポリタン美術館(以下、MET)である。壮大なエントランスを抜け、右側に進むと旧石器時代からローマ時代までのエジプト美術が展示されている。現在、そのエジプ...
これぽーと2022年1月30日世田谷美術館分館宮本三郎記念美術館:抽象、裸婦、根(南島興)ピエール=オーギュスト・ルノワールが休日の晴れやかなパリを描いた印象派の絵画から後半期になると光の混沌から絵画を救い出すかのように裸婦という具体的な対象へと回帰したことはよく知られている。古代ギリシャ・ローマにおける理想的な美の探求とは別の目的のために裸婦は再び召喚されるこ...
これぽーと2022年1月23日浜松市楽器博物館:世界を演奏する、浜松で(南島興)ヤマハやカワイといった楽器メーカーで有名な静岡県浜松市には世界でも有数の楽器博物館がある。1995年に開館した浜松市楽器博物館。当館は世界中の楽器及び関連資料を地域や文化に偏りなく公平に蒐集し、展示することを理念としてもち、常設展では1500点ほどの資料を見ることができる。...
これぽーと2022年1月16日豊田市美術館:「絶対現在」の条件を問う(南島興)0、はじめに 本展はその日のうちに当日の日付を描く河原温作「デイトペインティング」の豊田市美術館所蔵作品が1971年に制作されてから、2021年で50年経つという節目にこの半世紀を見つめる「いまここ」、すなわち「絶対現在」をコレクションを通じて捉える試みである。展示室全体は...
これぽーと2022年1月9日特別記事:音声で振り返るこれぽーと(南島興)新年あけましておめでとうございます。 昨年はこれぽーとを参加していただいた方、お読みいただいた方、誠にありがとうございました。今年も変わらず、常設・コレクション展にフォーカスした記事をアップしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。新年ということで、これまでのこれぽ...
これぽーと2021年12月26日国立国際美術館:ベールを剝ぎ取ること。世界と出会うこと。(堀本宗徳)1.新しいパラダイムを求めて。 「コレクション1 1968年展 新しいパラダイムを求めて」 展示を観に行ったのは10月中旬頃だったので、もう2カ月も前のことになる。あの時は確か衆議院選挙が近づいていて、煩雑な大阪の街中にもどこかナイーブな雰囲気がある気がした。本展の副題「新...
これぽーと2021年12月19日京都嵐山オルゴール博物館:自動人形、あるいは懐中時計に秘められた特別な時間(河野咲子・南島興)南島:先日、京都に行ってきました。ぼくは知り合いの作家さんが参加している京都芸術大学「KUA ANNUAL 2022」のプレオープン展と京都国立近代美術館のコレクション展、そして嵐山の観光地のなかにある京都嵐山オルゴール博物館に訪れました。...
これぽーと2021年12月12日第8回:レビューの使い方会議(南島興)これぽーとを主宰している南島です。今週は、レビューの使い方会議の第8回目です。以下、説明に続いて、本文になります。 突然ですが、前から少し疑問だったことがあります。毎月のように展覧会が開かれて、それに対するレビューがさまざまなメディアで公開されている。けれど、展覧会が終わっ...